過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第50章 日常的ストーカー
今回懇親会で出される料理は憲兵団持ちなので、
シェフも食材も豪華なのだと聞いた。
それが目の前にあるのに食べられないなんて、
地獄でしか無いと語るナナシにエルヴィンの目が点になる。
・・・・・そんな理由で?と言いたげな表情をするエルヴィンに、
ナナシは「食べられる内が花だ」と力説した。
ぶっちゃけナナシは割りと食いしん坊だ。
作るのも好きだが、食べることはもっと好きである。
食べなくても問題無い身体ではあるが、
お腹は空くし味わう味覚も存在するので食べる事は外せない。
それを聞いたリヴァイとミケは、
エルヴィンを馬鹿にするように鼻で嗤う。
「婚約者として懇親会に参加してくれたら、
シーナでいくらでも食事を御馳走しよう。
それなら構わないだろう?」
「あと、どうせなら人畜無害な人間と行動を共にしたいから、
お主とは行きたくない」
「私ほど身元がはっきりした安全な人間はいない」
身元の問題じゃねぇよ!とリヴァイとミケが
心の中でツッコむ。
ナナシも漸くエルヴィンが危険人物だと認識してきたらしい。