過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第49章 男たちの戦い
反撃する機会を与えない程の連続攻撃を繰り出すが、
ミケも上手くガードするので決定打にならない。
もう小一時間くらい対人格闘をしているので、
二人の身体は青痣だらけだった。
きっと明日になったら全身痛くて動くのも辛いだろうが、
今はそんな明日のことを考えている余裕は無い。
リヴァイの蹴りとミケの拳が互いの腹部に当たり、
二人は距離を取って膝をつく。
息も大分上がってきたので、そろそろケリをつけようと考えた所で、
パンパンと手を叩く音が訓練場に響いた。
「相討ち・・・と言った所かな?対人格闘の見本を見せるのは良いが、
そろそろ次の訓練に行ってもらわねばならないから
お開きにさせてもらうよ」
現れたのは爽やかな笑顔を浮かべたエルヴィンで、
その胡散臭さにリヴァイとミケは顔を顰めた。
「なんだ・・・おまえも参加するのか?」
「訓練不足気味の団長様を相手に遅れを取る俺達じゃねぇぞ」
ミケとリヴァイの言葉にエルヴィンは
「私は大人だから、暴力で片を付けようなんて思っていないよ」と
ニッコリ笑うと、二人に数枚の紙を差し出した。
訝しげにその紙を受け取り、目を通した二人は
書かれていた内容にガックリ肩を落とす。