過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第49章 男たちの戦い
「一週間後の懇親会で会うことになる見合い相手の釣書だ」
巨人を前にするような表情をするエルヴィンの気持ちが少しわかる。
高く積み上がる釣書を見る限り、
見合い相手の数は恐らく十人以上・・・・。
女をあしらう術に長けたエルヴィンでも相当骨が折れるだろう。
しかもその上、軍資金も巻き上げねばならないのだ。
「・・・難儀だな。精々頑張れよ」
エルヴィンの心労を察してそう声を掛けたものの、
彼は片眉を吊り上げ首を傾げた。
「何を他人事のように言っているんだ、リヴァイ。
これは君宛の釣書だ」
その言葉にリヴァイは顔面蒼白になりながら、
エルヴィンに詰め寄る。
「冗談だろっ!?てめぇが上手く断りやがれ!」
「自分の事は自分でやれ。君に構っていられる程、
私は暇じゃない」
そう言うとエルヴィンはまた違う書類の束を机の上にドドンッ!と置いた。
リヴァイの釣書よりも多いそれに
リヴァイは「まさか・・・」とエルヴィンの顔を見遣る。