過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第49章 男たちの戦い
――執務室にて、エルヴィンとリヴァイは打ち合わせをしていた。
エルヴィンは執務机で、リヴァイはソファで書類に目を通しながら
予算の割り当てについて話していたのだが、
不意にエルヴィンが話題を変えてきたので、
リヴァイもそれに応じる。
「そういえば、一週間後の懇親会についてだが・・・」
「あぁ、あのクッソ面倒クセェ集まりか。
貴族や商会連中からどんだけ金を搾り取れるかで
いつ壁外調査に出られるか決まるな」
「それは今どうでも良い」
「・・・・・・・・・・・・・・・あ?」
今何て言った?
てめぇは仮にも調査兵団の団長だろうが!
壁外調査がどうでも良いなんて言葉がこいつから出るとは
思わなかった。
「勘違いするな。いつものように金は絞り取るから、
その話はどうでも良いと言っているだけだ。
壁外調査は何としても早期に実施させる」
「・・・そうかよ。で?何が引っ掛かってるんだ?」
面倒になったリヴァイが投げ遣りになりながらそう言うと、
エルヴィンは真顔で分厚い書類の束をドンッ!と机の上に
置いた。