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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第49章 男たちの戦い







「おまえが来てから、あいつはどんなに忙しくても
ここに現れるようになった。お陰で食事もちゃんと取るし、
兵士達とのコミュニケーションも増えた。
だから、俺はおまえに感謝している」

「お主に感謝されると思わなんだ・・・」

「まぁ、お門違いではあるがな。だが、
理由が何であれエルヴィンにとっては良い変化だと思っている」


それが下心からでも、とミケは語った。

ナナシとしては、ミケのように心優しい友人を持った
エルヴィンが彼に感謝すべきだと思うがな・・・と思っていると、
ミケにもそれが伝わっているのか微笑を返された。


「ミケも存外苦労人なんだな・・・」

「今の時代、誰でも何かしらの苦労はしている」

「それはそうだが・・・わざわざ自分から
苦労を背負い込もうとする輩は少ないであろう?」

「エルヴィンは・・・俺にとって初めて出来た『友人』だ。
付き合いも長いから放っておけないだけだ」


訓練兵団に入って初めて出来た友人がエルヴィンだった。

匂いを嗅ぐ癖をエルヴィンが受け入れてくれた時、
冷たい世間の目に晒され死んだように生きてきた自分は、
その時からやっと生き始めたのだ。

あの時の感動を自分は今でも忘れてはいない。


「そうか、お主にとってエルヴィンは『特別』なのだな」


不意に零したナナシの何気ない言葉にミケは目を見張る。







―――『特別』。





・・・確かに自分にとってエルヴィンは『特別』なのかもしれない。






だが・・・・






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