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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第7章 四人で・・・




「腹は立たなかったのか?死者を冒涜されたようなもんだったろう?
それとも、おまえにとって、供え物をしようとしていた相手は
どうでも良かったのか?」

「苦楽を共にした仲間にやるつもりだったが・・・
死者はもう何も食えん。イザベル以外に言われたら
腹がたったかもしれんが、表裏が無い分納得出来た。
目の前で欲しがっている生者にくれてやるのが一番だとな」


リヴァイは少し驚いた表情をした後、一瞬微笑を浮かべ
「そうか・・・」と安心したように言葉を紡いだ。


「それに、生者にしかお菓子に対しての批評が聞けないではないか」

「・・・確かに、な」

「そろそろ時間だ。待ち合わせ場所に行かねば・・・」


そう言って腰を上げると、リヴァイが「待て」と制止したので、
何だ?と顔を向けると彼は真顔で
「男なら多少顔に傷つくっても問題ねぇだろ?行く前に俺と手合わせしろ」と言ってきた。
ナナシは思わず遠い目になって拒否する。


「面倒だから断る」

「ケチケチすんな」

「私達がいがみ合ったままでは、多分イザベルが泣くぞ?」

「・・・・・・・」


リヴァイが不機嫌そうに舌打ちをした事に、
ナナシは「リヴァイは妹分思いなんだな」と感心する。

無愛想で凶悪な顔つきだが、性格は本当に優しいようだ。
そもそも仲間思いでなければ、イザベルの事に関して述べてこないだろうし、
わざわざこちらに出向く真似などしないだろう。


リヴァイの可愛らしい一面に満足しながら、
ナナシはリヴァイを促してファーランとイザベルの待つ廃屋へと向かった。


そこで最終的な打ち合わせを終え、
お菓子を摘みながら談笑を交わして、
少し心が満たされたように思えた。



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