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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第7章 四人で・・・






翌日、リヴァイ達との打ち合わせに出かける為、
ナナシが身支度をしているとクレイグの店に
リヴァイが一人でやってきたので首を傾げた。

ヴィレムの廃屋で会おうという話だったのに、
どうしたのだろうかと疑問に思っていると、
彼はイザベルの事に関して話し始めた。


「あいつは・・・馬鹿だが、俺やファーランにとっては大事な家族だ。
だから、おまえがあいつの我儘を聞いてくれた事には感謝している」


我儘・・・?
『友達』になった事だろうか。

しかし、改まって言う程の事なのだろうか?
他にも何か言いたいことが・・・?と、そこまで考えてナナシは思った。

まさか、妹分に変な虫(男)がついたので、
その牽制に来たのではないか!?という不安が頭を過る。

いや、でも自分はイザベルに対してそういう目で見ていないし、
そんな風に思われて難癖をつけられると困るな、と思っていると、
「おまえは本当に男なのか?」とリヴァイに問われてドキッとする。


「一応・・・・」
「・・・そうか」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」


・・・・何だ?何が言いたいのかさっぱりわからん。

怪訝な表情でリヴァイを見ていると、
やっと彼から話を切り出された。


「一昨日食べたミタラシダンゴってやつは・・・
本当は供え物だったらしいな・・・」

「ん?あぁ、まぁな。供えると言っても作ったばかりだったから、
普通に食べられるものだが・・・
まさか食あたりにでもあったのか?」


あれを食べて体調不良になった、という苦情か!?とナナシは緊張したが、
リヴァイは「ちげぇ」と呆れたように溜息を零す。


「そうじゃねぇ。あれは悪くなかった。俺が言いてぇのは、
大事な奴に供えるものを俺達にくれちまって良かったのかって話だ。
イザベルからその仔細を聞いたのが、食い終わった後だったからな・・・。
返したくても返せなかった」


成程、その件か。
正直、目の前の目付きの悪い男がそんな事を気にするようには見えなかったが、
意外と律儀で優しい男なのかもしれないと考えを改める。


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