過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第48章 秘められていた想い
執務室に呼び出されたリヴァイとミケは、
憤怒の形相で二人を見据えるエルヴィンと対峙していた。
以前だったら気後れしていたものの、
今日は不思議とそんな気分にはならず、
冷静な心地でエルヴィンを見遣る。
「兵士達が騒いでいた。シャワールームではミケとナナシが
個室に閉じこもって秘め事をしていた・・・と」
それを聞いたリヴァイは目を見開いてミケを見たが、
彼は微動だにせず静かに前を見ているだけだった。
その反応にリヴァイは、何故先程ミケが自分の邪魔をしたのか悟る。
恐らくミケも自分と同じように腹を括ったのだ、と。
「風呂場では、リヴァイが全裸でナナシを襲っていたという報告が
上がっているが・・・二人共この件に関して言いたい事はあるか?」
エルヴィンの言葉に、ミケは動揺する事無く静かに言った。
「ナナシが腕輪を作る為に裸を見る必要があると言ったので、
見せていた」
「ほう?それだけにしては長く籠もっていたそうじゃないか」
怒気を含んだエルヴィンの声を物ともせずミケは肯定する。
「否定しない。俺はあの時ナナシに欲情して・・・抜いてもらった」
ミケの言葉を聞いた瞬間、エルヴィンの殺気が強くなり、
まるで敵を見るような目でミケを睨みつけた。