過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第46章 変態が絡む理由
「そ、そんな夜の酒場の酔っぱらい相手に淫らな行為に及ぶなど、
この私が許すと思っているのか!?
大体君は身体を見られることを酷く嫌うくせに
何故身体を売ろうという発想が出来る!?」
「え・・・?いや・・・あの・・・ちが・・・」
「どうせ売るなら、君の身体は私が買ってあげよう!
そうだ、それが良い!そうすれば合意じゃないか!」
ヒートアップしたエルヴィンの勢いが凄まじく、
ナナシは若干引く。
このまま本当にベッドに連れて行かれそうになったので、
慌てて皆の勘違いを訂正した。
「違う!別に身体を売ろうとかでは無く、酒場で接客をだな・・・」
店員として雇って貰い、地道にコツコツ稼ぐのだと説明しても
エルヴィンの勢いは止まらなかった。
「その発想自体がいけないんだ!何故酒場なんだ!?
質の悪い酒場は、裏で売春もさせているんだぞ!?
それを君はわかっているのか!?」
その言葉にナナシは目を点にして黙り、
手っ取り早くお金を稼ぐ方法を教えてくれた眷属の一人を
脳裏に浮かべる。
「でも、あんたはやるなよ」と釘を刺されていたが、
そういう理由だったのか、と今更ながら理解出来た。