過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第46章 変態が絡む理由
「それより遅くなったが昼食を取ろう」
「そうだよ!こっちもとばっちりでまだ食べてないんだからね!」
エルヴィンが昼食を促すと、ハンジとナナバも食べてないと言って
いそいそ準備し始めるが、テーブルが粉砕してしまった為、
テーブルの代わりに木箱を使おうという事になり
ミケに持って来てもらうことにした。
ミケはもう既に昼食を済ませていたので、
それこそとばっちりだったが文句一つ言わなかった。
ナナシが自室から花茶を持って来ると言って執務室から出て行くと、
リヴァイとハンジ、ナナバがエルヴィンに苦言を呈する。
「巨人を皆殺しにする前に、ナナシに殴り殺されんなよエルヴィン。
最近のてめぇは自重が無さ過ぎだ」
「あんまりしつこくすると、嫌われちゃうよ?
ナナシの心が広いお陰で許されてるようなもんじゃん。
普通ならもうとっくに見放されているレベルだからね?」
「攻撃されるとわかってて、何であそこまで絡むのさ?
エルヴィンって変態のドMだったっけ?」
三人に呆れたように言われたが、
エルヴィンは少し切なそうな表情でそれに答えた。
「こうした方が、ナナシが感情をぶつけてくれるからだよ」
ポツリと零すような微笑を浮かべたエルヴィンに三人は押し黙った。