過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第46章 変態が絡む理由
頬を紅潮させながら否定するナナシをハンジ達は
呆然と見つめていたが、彼らの中で
「とうとう、変態のゴリ押しが実り始めたのか」という考えが
浮かんだ。
ある意味洗脳に近いかもしれない、と
少しナナシが気の毒に思えたが、本人がそれに気づかなければ
問題はないだろう、と無理矢理自分を納得させる。
つーか、目の前でイチャイチャすんな。
あとエルヴィン、それもうセクハラ!!
そう思っていたら、エルヴィンの言葉に
我慢の限界を迎えたナナシが手を繋いだ姿勢の儘、
エルヴィンの上半身に身体と両足を巻き付け・・・・そのまま、
その巨体をまた投げ飛ばした。
ズドン!というけたたましい音と埃が舞い上がる。
ナナバ以外の全員は、これは昨日ミケを投げ飛ばした技の応用だと
すぐ理解して、「実戦ではこうやって使えるのか・・・」と
ある意味感心してしまった。
エルヴィンの心配より、その内執務室の床が
抜けてしまうかもしれないという不安の方が大きいのは、
彼の普段の行いのせいだろう。
たった数日でナナシのエルヴィンに対する暴力に慣れてしまった。
「おい、エルヴィンをボコるのは仕方無ぇが、物を壊すな。
散らかすな。もう既に窓ガラスとテーブルを粉砕してんだからよ」
「す、すまん。片付けもお主らにやらせてしまって・・・」