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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第6章 一触即発




ぶるりとファーランが身体を震わせながら、
地図に指を這わせる。


「どこから侵入するんだ?一階は却下だろ?
三階建ての屋敷だから二階か三階からが良いと思うんだが・・・」

「三階のここからの予定だ。ここからなら宝物庫にも近いし、
すぐ傍が森だ。姿を隠せる」


地図を指さし、ファーランの質問に答えると
彼は納得するように頷いた。
どうやら彼は参謀として優秀らしい。


「でもさ、ナナシ。おまえ立体機動装置持ってるのか?
俺達は立体機動で楽々三階まで行けるけど・・・」

「持ってないが、そんなに立体機動が必要か?」


イザベルの問いにナナシが首を傾げると、
彼女は口をポカンと開けて言葉を失ったようだった。


ナナシは己の肉体を強化する事が可能だ。
故に生身で三階まで行けないことは無いし、
道具に頼ろうという概念があまり無い。


「・・・ロープでも吊るしてよじ登るのか?」

「恐らくロープも必要ないぞ?心配なら持って行くが・・・」

「おまえ、自分が足引っ張るとかの心配してねぇの?」

「元々一人でやろうとしていた事だし、そこまで無謀な計画は立てないぞ?」

「うっわー、嫌味なくらい自信満々だな」

イザベルとの会話を聞いていたファーランも
「本当に大丈夫かよ」と呆れたように頭を掻いた。


「女でここまで度胸が座っている奴なんて滅多にいねぇぞ」

「・・・女?」

「え?だっておまえ女だろ?」


キョトンとするファーランに、ナナシは今の自分の性別について考えて答える。


「いや、今は男のはずだが?」

「・・・・・・・・・男?」

「あぁ、男だな。一応」


そう答えるとイザベルとファーランは目を大きく見開いて
驚愕の表情を浮かべた。


「嘘だろ!?俺おまえが女だって思ってたのに!」

「イザベルより女っぽいじゃねぇか!信じらんねぇ」


そんなに自分の容姿は女っぽいだろうか?
一応この姿が男としての肉体なので、ナナシはちょっぴりショックを受ける。


「館を襲うのに性別は関係無かろう・・・」

「そうだな、関係ねぇ。てめぇが女だろうが男だろうがな」


今まで黙り込んでいたリヴァイから発せられた言葉に、
ナナシもファーラン達も目を丸くしてリヴァイを見ると、
彼は睨むようにナナシを見据えた。


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