過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第45章 恋愛相談と恋愛観
「実は君達の会話を少し聞いていたんだ。
君から与えられるものなら、不誠実でも構わない。
曖昧な関係でも私は満足なんだ。子供もいらないし、
一生傍に居て欲しいとも願わないよ。・・・ただ、
出来るだけ、可能な限り一緒に居たいと思うだけだ。
私も調査兵団の団長をしているから未来の確約など出来ないからね。
そうそう・・・、不誠実で曖昧な関係でも満足だと言ったが、
本当に満足出来るのは君と・・・」
「いや、いい。聞きたくない」
両手で耳を塞いで逃げようとするナナシの身体を抱きすくめて、
エルヴィンは話続けた。
ナナシの拒絶具合からキャパシティが
限界に近くなっているのだろうと考える。
「聞くんだ!・・・逃げるんじゃない。
私は君を抱きたい・・・それも何度も。
そして少しで良いから、私の為に心を砕いてくれれば、
君が昔の男を思っていても我慢出来る」
「っ!・・・やだ・・・。身体は・・・誰にも見せたく・・・」
子供のような口調になったナナシの身体は小刻みに震えていて、
その様子にエルヴィンの心も傷つく。
「それは君の身体に『改造手術』の跡があるからか?」
「・・・・・・・・」
「どんな醜い傷跡があっても私は気にしないし、
裸にならなくても身体を重ねる事は出来る」