過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第45章 恋愛相談と恋愛観
「ナナシは私の事が嫌いかい?」
「・・・え・・・?」
目を丸くしてエルヴィンを見たナナシは、
出会った頃よりも表情豊かになっていると思う。
リヴァイやミケから聞いた話によると、
『表情が出るように細工した』とナナシが言っていたらしい。
表情のオンオフが可能なら、感情面でもそれが出来るのかもしれない。
「・・・・・嫌いじゃ・・・・ない」
「良かった。では、前々から私が君にプロポーズしている事は
覚えている?」
「・・・・・・追いかけられたり・・・したやつ?」
ナナシの中でそういう風に処理されたのか。
確かに自分の愛情は一般的なものとは違うと認識しているが、
ナナシの言葉からして無意識に情報のすり替えがあったようだ。
「以前から君は私が『君の能力目当てで固執している』と
言っていたが・・・例え君が寝たきりになっても、
この気持ちは変わらないよ?」
コテンと首を傾げるナナシは、本当に不思議そうな顔で
エルヴィンを見つめていた。
そんな仕草にエルヴィンは愛おしそうに目を細める。