過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第45章 恋愛相談と恋愛観
「私には・・・死して尚、愛し続けているA(仮名)がおるのだが、
最近になって本気なのかわからんが、
『好きだ』と言ってくるB(仮名)が現れてな」
Aさんは誰だか知りませんが、Bさんは団長ですよね。
別に団長は仮名じゃなくて名前で言っても構いませんよ、と
エルドは思ったが、口には出さなかった。
「何やかやで同じ職場でBと仕事をする事になったのだが、
やはりAへの気持ちは揺るがない。Bはそんな私が許せないのか、
時々子供のように不機嫌になる。
正直、どう接すれば良いのかわからないのだ。
しかもつい先程、私が血の繋がりのない家族と
暮らしていた事を知った途端、何故かBに怒られた。
二度と実家へ帰るな、と」
「あの・・・幾つかお伺いしたいのですが、
血の繋がらない家族とは男性ですか?
・・・その方達とのご関係は?」
「死にかけていた所を助けたら、恩義を感じたのかうちに居着いて
色々私の手助けをしてくれている連中だ。全員男だが?」
ご関係って、そういう意味ではなくて
肉体関係って意味なんですけど・・・。
「えっと、その方達と一緒に寝ては・・・いませんよね?」
「うん?日替わりで寝たことはある。全員不眠症だと
訴えてきたのでな・・・」
あぁー!!
それはだんちょ・・・もとい、Bさんが怒る訳です。
ナナシさん騙されてますって!無防備過ぎます!
百歩譲って全員が不眠症だったとしても、
ナナシさんと一緒に寝たからって眠れるはずないでしょう!
しかも、ナナシさんの口振りからして肉体関係は無かったな、こりゃ。
じゃなかったら、団長がそいつらを血祭・・・
・・・いや、これ以上考えてはいけない。