過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第45章 恋愛相談と恋愛観
「あれ?ナナシさん、こんな所でどうしたんですか?」
誰も使っていない訓練場の丸太に腰を掛けて、
ボーっと空を見つめていたらエルドに声を掛けられ
そちらへ顔を向けると、彼は立体機動装置を装備していた。
立体機動の訓練は無いはずなので、
彼の方こそ「こんな所でどうした?」と思えるのだが、
ナナシの考えに気づいてか照れ臭そうに「自主練です」と語る。
何でも、午後は空きの時間があって
それなら自主練に励もうと誰も使っていない訓練場に
やってきたそうだ。
エルドもそうだが、リヴァイ班は全員勤勉だと思う。
「で?どうしてこんな所に?」
此方はちゃんと答えたんですから、そっちも答えて下さい、
と無言の圧力を受けてナナシは少し口籠ったが、
ふとエルドの顔を見て思う。
エルドはイケメンだから恋愛経験値が高そうだ、と。
個人的な事を尋ねていいものかとグルグル悩んだものの、
他人の意見も少し聞いてみたいという考えの方が勝り、
ナナシはエルドに恋愛相談(?)を持ち掛けてみた。
最初エルドは「自分なんかがそんな恐れ多い!」と
断っていたものの、ナナシが余程困った顔をしていたのか、
「私見で宜しければ」と相談に乗ってくれる事となった。