過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第44章 変態と鈍感
「私の部屋に『悪夢を見て寝れないから一緒に寝てほしい』と
やって来て寝たんだが・・・」
「ちょっ!それは・・・!!」
「黙れエルヴィン。話が進まねぇ・・・」
エルヴィンの叫びを問答無用でリヴァイが抑え込む。
「次の日、他の部下達から『絶対もう一緒に寝てはいけない。
鍵も掛けるように』と言われてそうしたんだが、
朝になると何故かそやつが同じベッドで寝ててな。
気づけば私物も無くなっておるし、おかしいなと思ってたら
どうやら勝手に合鍵を作られていたようで、
鍵を替えたんだが・・・」
「え?ちょっと待って!その話どこに行き着くの!?
今の部分だけでも充分ヤンデレなんだけど
何で気付かなかったのさ!?」
ハンジのツッコミに少し考えて答える。
「『良い歳こいた青年(外見年齢二十歳)が、
悪夢怖くて眠れないって事あるはずねぇだろ』ってゴロツキ(仮名)に言われ、
『ヤンデレ(仮名)は俺達の前ではちゃんとした大人やで』と
おかん(仮名)に言われ、『貴方の前では猫被っていますよね』と
紳士(仮名)にも言われ、『彼は甘えん坊じゃなくてただのヤンデレだから、
気にしちゃダメだよ』と天然(仮名)にも言われたので、
そこでそうなのかと・・・気づいた」
ーーーー気づくの遅せぇっ!!
しかも、それ自発的に気づいた訳じゃなくて、
他の仲間からのリークでやっとそう思っただけだよねっ!?
ガードが堅いと見せかけて緩々じゃねぇかっ!!
よく今まで何も起きなかったな!
・・・つーか、本当に何も起きなかったのか?