過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第43章 ナナシの眷属
「ごめん。あたし買い忘れがあったわ。
ナナバとナナシは先に兵団に戻っていてくれる?」
「それならお主に付き合うぞ?」
「いいって。それにナナシは午後から仕事があるでしょ?」
ハンジがチラリとナナバへ視線を送ると、
ナナバはナナシの背中をぐいぐい押して
「帰ろっか」と明るい口調で言った。
「ハンジの買い物に付き合うとろくな目に合わないから行こう。
あ、そうだ!お昼ご飯買って帰ろうよ。
どうせ、兵団のご飯はそんな美味しくないし、たまにはね。
そういえばいつクッキー作ろうか?」
「え?あの、ちょっと・・・」
ナナバに引き摺られるようにして、
ナナシは兵団の帰路へと着くことになった。