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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第43章 ナナシの眷属







「もしかして・・・ナナシのお兄さん?」

「ちゃいますよ~。まぁ、兄代わり親代わりのつもりでいますけど、
実は恋人候補なんですわ。他にも恋人候補が四人いまして、
修羅場中だったりします」

「おい、何だその設定は。私は初耳だぞ」

「ナッちゃんに気付かれないように水面下でやり合っとるやで?
当たり前や」


ツクモの冗談には着いてけない、とナナシは頭を抱えて
ハンジ達を見た。

彼女達もツクモの冗談に着いて行けないのか、
目を白黒させてナナシとツクモを交互に見遣っている。


「でも実際俺はナッちゃんの部下みたいなもんです。
いつまで経っても帰って来ないナッちゃんを迎えに来たんですが・・・
まだ帰らないと言われまして困っとるんですよ」


ははっと笑うツクモを睨みつけながら
「もう用件は済んだだろ?帰れ」と言うと
彼は「せやな」と首肯した。


「じゃあ、くれぐれも無理をしたらあかんで。
今度酒でも差し入れに来るわ」


「サイナラ~」と踵を返して路地に消えたツクモを確認して、
ナナバ達を振り返ると二人は呆気にとられていたようだったが、
少しすると矢継ぎ早に質問をしてきた。


「え?え?どういう事!?恋人候補がそんなにいるの!?」

「ナナシの実家って相当裕福なの!?
お貴族様じゃないと恋人候補が五人もいないでしょう!」




まるで恋愛小説のような泥沼じゃん!と興奮気味に語る二人に、
ナナシは「あれは質の悪い冗談だ!」と反論するしかなく、
心の中でこっそり爆弾を落としていったツクモを恨んだ。



何であんな訳のわからない冗談を言ったのかと理解に苦しんでいると、
ひとしきり笑っていたハンジが「あ」と声を上げる。




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