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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第6章 一触即発



「ほほう?黒髪の小僧は勘が良いようだ。あと少し止めるのが
遅ければこの小僧はあの世行きだったものを…」


面白そうに言ったナナシの言葉にリヴァイが殺気立つ。

空気が張り詰め、イザベルとファーランの身体が
凍りついたかのように動かなくなった。

あのリヴァイに軽口を叩くとは命知らずだと内心で焦る。


…しかも若干リヴァイを馬鹿にする形で。


表情を動かすことのない二人が睨み合うように見つめ合っている様は
見ていて恐ろしいものがあったが、先に動いたのはナナシで、
突き付けられていたナイフをファーランから奪うと
それをリヴァイへ投げつけた。

予備動作もなくされた動きに、ナイフを奪われたはずのファーランの方が
反応出来ずにいた。


ナイフを投げつけられたリヴァイは難なくそれを躱し、
自身のナイフをナナシへ振り下ろしたが捉えたはずの姿はそこにはなく
刃は空を切った。

拙いと感じ、すぐに体勢を立て直したリヴァイだったが、
直後軸足に衝撃が走り身体が僅かに宙を浮く。

足払いされたのだと気付き手を着いてバランスを取るも、
その手もすぐ薙ぎ払われ背中から地面へ叩き落とされた。


「リヴァイ!」

「兄貴!」


ファーランとイザベルの呼声にリヴァイはすぐ身体を起こす。

相手がファーランとイザベルに手を出さないという保証は
どこにもなく牽制するようにナナシを睨むと、
相手はリヴァイとは逆に戦意を喪失したように背を向けた。

無防備なその姿に馬鹿にされたと感じたリヴァイは
ナイフを構え直す。

追い打ちをかける時間もあったはずなのに、
それをしてこなかった相手の考えがわからずじっと様子を窺っていると
顔だけ振り向いたナナシがぽつりと零した。


「お主らの力量を知りたかっただけでな。本気で事を構える気はない。
それでも許せぬと言うなら襲って来い」

「…………」


これ以上やり合ったらファーランとイザベルを
危険に晒す事になるだろうと判断しリヴァイは武器を収めた。

自尊心は高いが、それ以上にリヴァイは仲間想いだ。

仲間の命とプライドを天秤にかければ仲間を取る。

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