過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第42章 買い物へ行こう☆
「そういえば、エルヴィンが仕事の合間に角砂糖を食べている時が
あるのだが・・・あれは、部下が見たら居た堪れなくなる気がする」
書類に埋もれて仕事をしているエルヴィンを思い出し
ナナシが言うと、二人は「あれね~」と困ったような表情をした。
「売られているお菓子は高いし、角砂糖だけなら
手軽に食べられるって言っててさ。
糖分が無いと頭が働かないからって、あれはあたしもどうかと思うよ」
「エルヴィンは基本人の言う事聞かないから、
止められないんだよね」
売られているお菓子もそうだが角砂糖の値段も高い気がするのに・・・
と思った所で、エルヴィンがただ単に面倒臭がっているだけか、
という結論に至る。
初めて角砂糖を食べているのを見た時
「団長なのに嘆かわしいな」と思ったが、
あれは調査兵団ならではの行動だと思って言及しなかった。
だが今ハンジ達の話を聞いて、
彼女達もあれは止めた方が良いと思っているのだとわかった。
「・・・・材料買ってクッキーか何か作ったら止めるだろうか?」
ナナシが何となくそう零すとハンジとナナバは満面の笑顔で肯定した。
「ナナシが作ったものなら絶対そっちを取るよ!」
「あれ止めさせたいし、ナナシが作ってくれるなら
今から材料買いに行こう。作るのも手伝うし・・・というか、
お菓子作り教えて貰いたいし」
どうやらナナバはお菓子作りや料理が好きなようで、
ここ数日そういう意見交換をする事が多かった。
まぁ、ナナシが教えられるような事は無いだろうが、
ナナバの提案を受けて材料が売っている店に向かう。
「あ、あたし味見係ね」
ハンジが元気良く手を挙げると、ナナバが呆れながら
「ハンジはいつもそうだよね」と溜息を吐いた。