過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第42章 買い物へ行こう☆
一般の兵士達が騒ぐ中、ナナシがお花畑にトリップしたまま
戻ってこないエルヴィンを揺すってみるが反応は鈍い。
向かいに座っているリヴァイ達は手で顔を覆ったまま
俯いてしまっていて使い物になりそうになかった。
もしもエルヴィンに持病があったら
今すぐ医務室に運んだ方が良いのだろうか?
悩んでいると、兵士を掻き分けてナナバが姿を現したので
相談すると、彼女は何とも言えない表情をして
「医務室に運ぶ必要無いから大丈夫だよ」と言った。
そういうものか、と思いつつ、エルヴィンに
「これから買い物行くからお小遣いをくれ」と
ダメ元で言ってみると、彼はガバッと勢い良く起きた。
「買い物!?これから!?」
「好きな物買ってくれるって言っただろう?
今日午前中は比較的時間があるから、
足りないものとか買い出しに行こうかと・・・」
「・・・午前中は私と二人きりでの訓練もあったはずだが?」
「腕輪した状態で日常生活が送れるようになるまでは
次のステップまで行かぬ方が良いから、
筋トレの自主練でもしていてくれ」
「・・・・・・・・・・・・・」
遠い目をしたエルヴィンに首を傾げていると
「あ、私も買い物行こうとしてたんだ。一緒に行かない?ナナシ」と
ナナバが笑顔で手を挙げる。
断る理由も無いので承諾すると、
ナナバが「何買おうかな~」と楽しそうに言った。