過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第42章 買い物へ行こう☆
「褒めてもらえるとは嬉しい限りだ。
君は私の髪の色と目の色が好きなんだね」
「あぁ、好きだぞ」
好き・・・。
初めて言われた気がする。
人知れず(リヴァイとミケにはバレバレだが)幸福を噛み締めながら、
エルヴィンに更なる欲が湧く。
「ナナシ問題です。
『エルヴィンの髪の色と目の色が好きだ』という文の
名詞と動詞で文を作るとどうなると思う?
正解したら好きな物を買ってあげよう」
「えっと・・・」
エルヴィンの問題を聞いて、その意図を察したリヴァイとミケは
思わず両手で自らの顔を覆った。
居た堪れない!
ここまでプライドを捨てて、
形振り構わなくなったエルヴィン・スミスが不憫で
涙が出てきそうだった。
多分、ハンジだったら違う意味で涙が出ていただろう
・・・爆笑し過ぎて。
「正解は『エルヴィンが好き』だ!」
ナナシの答えを聞いた瞬間、エルヴィンは机に突っ伏し
プルプルと震えた。
絶対零度からお花畑状態になったエルヴィンには
周囲の兵士も驚愕した。
「大変だ!エルヴィン団長から花が飛んでいるぞ!」
「何か幸せな事があったんだ!」
「予算がぶんどれたんですか!?」
などと、ざわついている。