過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第42章 買い物へ行こう☆
「この色は恋人の瞳の色と同じ色でとても好きなんだ。
良いよな、蒼」
「・・・・・・・・・・・・へぇ・・・」
一瞬にして空気が凍りついた事にナナシは気づかず、
向かいに座っていたリヴァイとミケは息を殺して
エルヴィンの様子を窺った。
その眼は据わっていて、恐らくナナシの死んだ恋人に
嫉妬しているのだろう。
エルヴィンもエルヴィンだが、ナナシも相当酷い
恋愛音痴だと思う。
ここまでエルヴィンが好意を寄せているにも関わらず、
何故敢えて地雷を踏むような事を話すのだろうか?
初めはエルヴィンに対する牽制かと思ったが、
ここ数日の様子を見てどうやら天然で
そういう地雷を踏んでいるようだった。
頼むからこっちまで痴話喧嘩に巻き込まないでくれ。
「そういえば、エルヴィンの瞳も綺麗な色をしているよな。
髪の色も私の好きな色だ」
無邪気にそう言ったナナシに、
不機嫌MAXだったエルヴィンの態度が180度変わった。