過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第40章 どっちもどっち
「弱くして、それなのか?」
「あ?あぁ・・・、始めよりも40%は弱くしているが・・・
これはエルヴィンに合わせてある特注品だから、
お主の身体には合わんぞ。体格や骨格、筋肉量、
質などが違うからな。嵌めたら身体を痛めるだけで・・・」
「・・・何の事だ?」
「惚けるな。私に内緒で貸し借り出来ぬと言っているのだ。
わかりやすく例えるなら、エルヴィンの体格に合わせて
作った服をお主が着ても、サイズも何もかも合わぬだろう?
それと同じだ」
「・・・・・・・・」
ここまで言わないとリヴァイはきっと
こっそりこれを使ってしまうだろう。
彼は良くも悪くも強さを追い求める傾向がある。
戦闘でのみ貢献出来ないと思い込んでいるからなのかは知らないが、
仲間の為に強くなろうと必死なのは見ていてよくわかっていた。
リヴァイは戦闘以外でも有能なので、
下手に怪我をされたら困ってしまう。
だから、無茶をする前に止めておかなければ・・・。
「なら、俺に合わせた物を作れ」
「諦めるという選択肢は無いのか!?」
「無い」
そう来たか・・・。
エルヴィンでも読み違えて大変な事になっているのに、
リヴァイの分も作るとなると調整などが面倒だ。
「やだ」
「ほう?なら俺より小柄なおまえが着けてるそれを奪うだけだが・・・?」
ぐいっとリヴァイに手首を掴まれ、
ナナシの着けている腕輪を指摘された。