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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第40章 どっちもどっち





「調整は・・・難しそうかい?」


そう声を掛けると、動かしていた手を止めて
ナナシはエルヴィンへ視線を合わせた。


「かなり弱くしてみたが・・・何回か試してみる必要がありそうだ。
後でもう一度着けてもらいたい」

「君の手編みなら喜んで着けるよ」


エルヴィンがニッコリ微笑むとナナシはそそくさと彼の隣の席に座り
それを嵌めると、エルヴィンの筋肉がミシリと軋んだ。

先程よりは弱いがそれでも疲労困憊の身体にはきついものがあり、
冷や汗が流れる。


「・・・ナナシ、もう今日は装着は無理だ。明日からにしよう」

「すまん・・・身体きついか」


カチリと留め具を外して腕から抜くと、
エルヴィンは脱力したようにソファの背に凭れた。

本当に死にかけていると感じ、
ナナシは焦りながらエルヴィンの身体を擦った。


「大丈夫か!?今日のは私が悪かった!
きちんと調整し直すから待っていてくれ」

「あぁ、よろしく頼む」

「おい、その腕輪・・・俺にも嵌めさせろ」


リヴァイがそう言ってナナシの手から腕輪を掴み取ると、
徐ろに自分の腕に嵌めた。

まだ調整中の物を止める間もなく嵌められてしまったので
ナナシは大いに慌てる。


エルヴィンとリヴァイとでは基本的な筋肉量が違うので、
その人間に合わせた物では無いと危険だ。


案の定、リヴァイは僅かに顔を歪め
「こんなもの着けてたのかよ・・・」と額に汗を滲ませている。

何とか腕輪を奪い返すと、リヴァイはソファの背凭れに
ぐったりと身体を預け、荒い息をしながらナナシに問いかけた。





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