過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第40章 どっちもどっち
「やる!!あたしエルヴィンに協力するよ!!
で、次はどんなのを作れば良いの?眠り薬?痺れ薬?」
「いや、今度は超強力な媚薬、催淫剤で頼む。
今までは無理矢理手篭めにしようとしていたのがいけなかったんだ。
向こうから求めてくるように仕向けようと思う」
「うんうん、長時間効くほうが良い?」
「そうだな・・・最低でも一晩は・・・・・」
「了解!」
意気揚々とガシッと手を繋ぎ合ったエルヴィンとハンジを尻目に、
リヴァイとミケは重い溜息を吐いた。
これがナナシにバレたら大変な事になるぞ、と。
「失敗するのは勝手だが自分達を巻き込むな」・・・と
言ってやったがエルヴィンに言っても聞いてもらえなかったので、
ナナシに「自分達は関係無い」と訴えてみようと
二人はこっそり思った。
ナナシは優しいところがあるので許してくれるかもしれない。
だから、今の話は聞かなかった事にする。
コンコンとシャワー室の扉がノックされ、
外から「お~い?いるの?」とナナバの声が聞こえてきたので、
四人はシャワー室から出ることにした。
まだ疲労感で身体が思うように動かせないエルヴィンは、
ミケに肩を貸してもらい執務室に備え付けてあるソファへ
腰を下ろすと、向かいに座っているナナシに目を向ける。
エルヴィンの腕輪を編み直しているらしく、
その姿は恋人の為に一生懸命編み物をする乙女の図に見えなくもない。