過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第40章 どっちもどっち
「ねぇ!三人共どうして出てこないの?何かあったの!?」
しかし何の因果か、
この状況でシャワー室の扉を開けて入ってきたのは
常識とは無縁のハンジだった。
男性陣全員が黙ったままハンジに視線をやると、
彼女は首を傾げながらエルヴィン達に目線を合わせるように
腰を下ろす。
力の入らないエルヴィン以外は皆ヤンキー座りで、
一体何の集まりなんだ!?と思われるレベルだ。
「ハンジ、ナナシに盛る薬を調合してくれ」
「え?やだよぉ~。エルヴィンみたいに関節外されて
ボコられるのは勘弁だね」
どうやら、この(ナナシに薬を盛る)一件に関して
皆の見解は一致しているらしい。
「ハンジ・・・・これが成功したら君の巨人研究予算を
大幅に増額しよう」
「えっ!?マジでっ!!」
だが、ハンジは欲望に忠実なので意外にチョロい部分がある。
あとひと押しだとエルヴィンはハンジの気を引きそうな
提案を続けて出した。
「君はナナシの身体に興味は無いか?
リヴァイと私の蹴りを受けても骨折一つしない細くて頑丈な身体に。
ナナシを籠絡出来た暁には、神秘的な能力とその身体を調べる事も
許可しよう。それが出来れば巨人の謎に近づけるかもしれないしな。
無論私もその検証に立ち合うが・・・」
好き勝手なエルヴィンの言い分に
リヴァイとミケは呆れたがハンジは見事に釣られたようで、
目を輝かせる。