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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第39章 護剣術と護身術









もう一度エルヴィンの攻撃を数回いなし終えると、
右手に持っていた短剣を左手に持ち替えさせ、
その型を確認した。


利き手が右手なので、左手のみで刃を持つと
どうしてもバランスが悪くなり、得物が扱い辛くなる。

日頃鍛えているエルヴィンでもそれは同じで、
体幹が若干ブレていた。

下手にいじると立体機動にも影響が出るので
当面は剣技の方ではなく、バランス良く全体的に鍛えるのが
無難かと結論付ける。


しかし、いつまでも先延ばしにしていたら文句が出そうなので
一応どのように力のベクトルを逸らすかは教えておこうと考えた。


ナナシはエルヴィンの傍まで寄ると、
構えたままのエルヴィンの短剣へナイフを沿わせる。


「攻撃される角度は多種多様だから、一番いなしやすい物から教えるぞ。
得物がこんな風に入ってきたら・・・手首を捻って刃を斜めに・・・、
そう、そんな感じで力を流す。始めはゆっくりで良い。
この動作を続けて身体に型を覚えさせよう」


ゆっくりと何度も攻撃を流す動作を繰り返すナナシに、
エルヴィンは黙って従う。

いつの間にかエルヴィン以外の三名の影が日光を遮っていた。
興味深そうに覗いてくる姿に思わず苦笑する。


「お主らは、さっさと持ち場に戻れ」

「あー、うん。・・・でもまだ護身術の方は見てないし・・・」


上の空で言うハンジに、
護身術の方が他人に見せたくないんだと心の中で思った。




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