過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第37章 腕相撲
相手の腕をへし折ってしまうくらいの力を持っているミケは、
ナナシの真意がどこにあるのかわからないままそう尋ねたが、
相手からは「当たり前だ」と言わんばかりの口調で返され
困惑が増す。
勝手にエルヴィンの執務机を腕相撲の台にしようとしているナナシに
戸惑っていると、エルヴィンから「やれ」と命じられ、
ミケは仕方なく応じることにした。
ジャケットを脱ぎ、シャツを捲ると
ミケの太くて逞しい腕が露わになる。
対してナナシは服の上からでも華奢という言葉が似合う細腕をしていた。
ぶっちゃけ女のハンジよりも細いかもしれない。
「ジャッジはエルヴィンに頼むとして・・・、
リヴァイよく見ておれよ?」
ナナシの言葉にリヴァイが怪訝な表情を返していると、
エルヴィンがナナシとミケの拳の上に手を置く。
二人は開始の合図をいつされても大丈夫なように身体を構えた。
「レディ・ゴー!!」