過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第37章 腕相撲
「・・・この中で一番腕相撲が強いのは誰だ?」
「あ?腕相撲だと?今はそんなもん関係・・・」
「お主をわかりやすく納得させる為に必要だ」
リヴァイの言葉を遮ったナナシは、
ちらりとエルヴィンへ視線を遣ると彼はミケを見た。
「純粋に力だけならミケだ。リヴァイも相当強いだろうが、
小細工無しなら彼だろう」
「そうだね~。あたしもそう思うよ。
ミケ、エルヴィン、リヴァイって感じじゃない?」
エルヴィンの的確な答えとハンジの同意を受けて、
名指しされたミケは困ったようにスンと鼻を鳴らす。
リヴァイは舌打ちしつつも「俺もミケだと思う」と律儀に答えた。
皆の意見に満足したナナシは「では・・・」と話を続ける。
「私とミケ、腕相撲はどちらが強いと思う?」
その質問にエルヴィン達は困惑げな表情を顔に乗せ、
ミケを支持した。
戦闘ならわからないが、
純粋な力比べで細腕のナナシが筋骨隆々のミケに勝てるとは思えない。
そんな皆の考えを余所にナナシはミケに腕相撲勝負を持ちかけた。
「・・・・・・・本気か?」
「?本気だぞ?」