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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第37章 腕相撲







「エルヴィンが特別メニューだってのは理解した。
それなら俺のも特別にしろ」


向かいのソファに座り、
今まで黙って話を聞いていたリヴァイが自身のメニュー表を見ながら
そう話を切り出す。

ナナシは幹部や団長の他、
人類最強であるリヴァイの強化メニューも作っていたが、
彼のメニューは専ら基礎訓練が多く
エルヴィンのような特別さは無かった。

それは偏にリヴァイがずば抜けて優秀で
修正箇所が少なかったからだと言えるのだが、
彼は不満そうに眉を顰めた。


「俺はおまえに『陽炎』とやらを習いたい。
それがダメってんなら今度こそ聞かせろ。
何故俺にはおまえの技が使えないと言い切れる?
あの技が使えれば、万が一立体機動が故障しても
巨人と戦えるんじゃねぇのか?」


睨むような眼差しにリヴァイがどれほど真剣に言っているのかがわかる。

ナナシの技を会得すれば今よりも多くの仲間が守れると思っているのだろう。


自らのプライドを捨てても仲間の命を取るリヴァイを
好ましく思うが、彼の欲している答えは
更に彼のプライドを傷つけるものかもしれないと思うと、
ナナシは言葉に詰まってしまう。

しかし、このまま口を噤んでいても
リヴァイはきっといつまでも納得しないだろう。

どう言えばリヴァイが納得するかを必死で考える。






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