過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第37章 腕相撲
「・・・ということは、私は君と二人きりで訓練する・・・という事か?」
「エルヴィンそこっ!?食いつく場所が違うでしょ!?
またナナシ病が始まっちゃったの!?」
ズレた事を言うエルヴィンに
ハンジはすかさずツッコミを入れたが、
当の本人は何かを考えこんでいるらしく
まるで聞いていないようだった。
「人目につかない場所で二人きりでやった方が良いだろうな・・・。
団長であるお主がボロボロになっている姿を部下に見せる訳にもいくまい」
「成程・・・人目につかない場所で、
手取り足取り腰取りの激しい運動か」
「念のため、仮の着替えとタオルは用意しておけ。
髪が激しく乱れるからそんな澄ました七三でいられると思うなよ」
「わかった。汚れても良いように着替えとタオルを用意しておこう。
勿論君の分も私が用意するよ」
「私は然程汚れるつもりは無いが・・・一応タオルだけは頼んでおこうか」
ナナシとエルヴィンの、微妙に噛み合っているようで
噛み合っていない会話を聞いてハンジ達はがっくり肩を落とす。
流石のハンジもツッコむのが面倒になり、
傍観を決め込むことにした。