過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第34章 報告したが故に・・・
「やっほー、ご飯持ってきたよ~って、あれ?
エルヴィンとナナシは?」
ハンジが皆の分のご飯を持ってきて、
陽気に声を掛けてきたが彼女を構っている余裕など
リヴァイ達には無い。
「・・・・おい、クソメガネ。仮眠室の扉を開けろ」
「え?何?突然・・・。
仮眠室に何があるの?リヴァイ達が開ければ良いじゃん」
「俺達は・・・開けられない、エルヴィンの命令でな」
「一体何なの?鍵も掛かってないんでしょ?」
リヴァイとミケは『奇行種には奇行種をぶつけるしかない』と
必死でハンジを説得する。
ハンジなら仮にこの扉を開けてしまったとしても
『いつもの事だ』と笑い飛ばしてもらえるかもしれない、という期待も
籠っているが、開けてしまった時真っ先に目に入るものが
恐ろしくて堪らないのが本音だった。
それが情事中であろうと、エルヴィンの死体だろうとだ!
「えー・・・何か嫌な予感するんだけど。
せめて何があるのかくらい聞かせてよ」
「聞きたいのか?聞いたら絶対開けろよ」
「うん、わかったから・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・死体か、セックス」
リヴァイの簡潔な答えに、流石のハンジも止まった。
「・・・・・・・・・え?何、それ。
もう『何がある』じゃなくて『何が起こったのか』っていう
答えだよね?そんな事後回答聞きたくなかったよっ!」