過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第34章 報告したが故に・・・
「落ち着け、早まるな。ここで焦るのは最善ではない」
「最善策では結果は得られない!時にはリスクを犯すことも必要なんだ、
おまえらならわかるだろう?」
わかる!
わかるけど、それは使い方を間違っているぞ!
人類の為にリスクを犯すのは必要だと思うが、
おまえのそれはただの夜這いじゃねぇかっ!
自殺願望があるとしか思えない!
・・・が、エルヴィンの真面目な顔を見ると口に出して
反論すら出来ない二人だった。
「では、お休み二人共。ここは決して開けてはならないよ」
そう言うとエルヴィンは良い笑顔で仮眠室へと入っていった。
ミケとリヴァイは「むしろ、恐くて開けたくもねぇよ」と思いながら
それを見送る。
やがて仮眠室から「ドスンドスン!」と何かが暴れるような音が聞こえ、
二人は硬直しながら音が静まるのを只管待った。