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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第32章 メデューサの微笑?








「一つ尋ねたい。エルヴィンの前で笑ったらどうなる?」

「エルヴィンに笑い掛けた時点であいつはそれを『合意』と判断して、
襲い掛かってくるはずだ。『合意』なら契約違反にはならないと
理由をつけてな。誘う方が悪いと・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



危なかった!


恐怖で気絶すると思い込んでいたので、
もしもの時エルヴィンにこの手を使う事も考えていたのだ。

ミケが教えてくれなければ危うく自爆するところだったと
冷や汗をかいた。

真実を教えてくれたミケに感謝していると、
「俺は・・・」とミケが話し始める。


「俺は大人っぽい女が好みだ。ロリコンは趣味じゃない。
・・・だが、好みじゃないはずのおまえに欲情するくらい、
おまえの笑顔には威力があった」

「・・・・?・・・・・・・・・・うん?」


首を傾げるナナシにミケはまた大きく息を吐く。

自ら地雷を踏んだとは言え、
予想外の事態にミケは激しく狼狽した。

好みのタイプでは無いはずのナナシに、
自分が欲情した事に少なからずショックを受けたのだ。

これではエルヴィンの事を笑えない。

ナナシから凄絶な色香が漂ってきた瞬間、
ミケの理性がぐらりと機能不全を起こしかけた。

気づいたらナナシにベロチューをかましていたのだが、
それ以上先に進まなかった自分を褒めてやりたいくらいに
威力が半端無かった。

度数の強い酒をしこたま飲んだ後の酩酊状態が
一気に来た感覚に近いかもしれない。

常識的な思考が停止して
「もしもこいつが女なら抱くのも悪くない」とまで
思ってしまっていた。

その場合エルヴィンが恐ろしいが、
二人の合意であれば彼に文句を言われる筋合いも無いのだという
考えを持った上で・・・だ。


一部分だけがやけに冷静で、それが尚更恐ろしく感じてしまう。






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