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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第32章 メデューサの微笑?







「いや、しかし・・・・お主のような大男にまで気絶されたら
ショックで立ち直れなくなるのだが・・・」

「俺はそう簡単に気絶しない。
エルヴィンの絶対零度の笑顔にも気絶してないからな」

「あー・・・成程。耐性があるという事か」


エルヴィンの笑顔が本当に恐ろしい時があるのを思い出し、
妙に納得してしまったナナシは身体を反転させると
言われた通りの顔を作った。

ナナシの顔を見た瞬間、
ミケの表情が強張ったことに気づき
「やはり私は微笑うべきでは無いのだ」と落胆していると、
何故かミケに唇を奪われてしまった。

ご丁寧に頭の後ろを手で抑えられているので引き剥がす事も出来ず、
必死にミケの肩を叩いて正気に戻るよう促す。


彼の分厚い舌が口内を弄ってきて「あ、上手いな」と
つい無駄に分析してしまった自分に辟易してしまった。


やがて、ミケの唇が離れるとナナシは彼からデコピンを食らい、
何故自分がデコピンを食らわないといけないのか、と
額を擦っていると、俯いたミケから熱い溜息が零れた。


「・・・確かにおまえは人前で今みたいに笑わない方が良い。
特にエルヴィンの前ではな」

「どういう意味だ?」


言っている意味が全くわからないと言うとミケは
情欲に濡れた眼差しをナナシに向けた。


「おまえの笑顔は誘っているように見えるんだ。
勘違いして襲い掛かってくる奴が出るだろう。
多分おまえの男もそれがわかっていたから、
『自分以外に笑いかけるな』と言っていたんだろうな」

「え・・・」


思ってもみなかった事実にナナシは愕然とした。

罰が悪そうに視線を逸らすミケが嘘を言っているようには見えない。


だが、何故エルヴィンの前では笑ってはいけないという事になるのだろうか?

彼は契約で自分への執着を捨てている・・・はず。





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