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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第32章 メデューサの微笑?










「あ、あの・・・すみません。お手を煩わせてしまって・・・・」



元気のない声で謝罪を口にしたペトラにナナシが
「気にするな」と返していると、
身を隠していたオルオが慌てて駆け寄ってきた。


「ペ、ペトラ!大丈夫かっ!?
クソ、あいつら兵長に選ばれなかったからって難癖つけてきやがって!」

「・・・う、うん・・・・・・」

「本当に大丈夫か?何かされたのか!?」


オルオは浮かない表情で歯切れの悪い物言いをするペトラを心配したが、
彼女は頬に手を当てながら「何もされてないわ」と返すだけで
何も言わなかった。


調査兵団には女を捨てる覚悟で入ったはずなのに、
いざ女として否定されると酷く傷つく自分がいた事に戸惑った。

自分に絡んできた彼女達は兵士としての技量はペトラより劣るが
遥かに美人で、恋人にするならナナシの言う通り
彼女達が選ばれるだろう。


兵士として負けない自信があっても、
女としての優劣ではとても敵わない事実に
ペトラは少なからず凹んだ。

ペトラの髪に何かが挿し込まれた感触に、
漸く我に返ったペトラは思ったよりナナシの顔が近くにあった事に
驚愕し固まる。

髪には白い花が挿されていた。


「あの女達は確かにお主より美人ではあるが、
可愛さではペトラの方が上だ。
それに彼女達は厚化粧の仮面で自らを隠さねば
外も歩けぬ面よ。すっぴんは見られたものではなかろう・・・」

「・・・・え?」


何で自分の悩んでいることがわかったのだろう、と
目を丸くするとナナシは妖艶な笑みを浮かべて、
ペトラを口説くように言った。


「自然体のお主の方が女として魅力的だと言っておるのだ。
私だったらお主を恋人にするぞ。
あんな女よりもペトラの方が私の好みだからな」






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