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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第31章 本来の目的







そんな様子を腹を抱えてゲラゲラ笑っているのはハンジで、
足をバタバタさせている姿は女とは思えない行動だった。


「ハンジ・・・少しは女性としての慎みを持ちなさい」

「え~?何でよ?別に調査兵団にはそんなもの必要無いじゃん!」

「・・・・・・・いや、来週には必要になる」

「・・・・・・へ?」


エルヴィンの邪悪な空気を察知したハンジは、
笑いを引っ込め逃げ出そうとしたが
傍に居たミケによって首根っこを引っ張られて逃亡に失敗する。


「君に縁談が来ている」

「やっぱり!ってかさー、どうせ振られるのわかりきっているのに
持ってこないでよ!」


ハンジは意外とモテる。
・・・モテるとは言っても初対面の相手のみだが、
彼女がドレスアップして夜会に出席すると高確率で一目惚れされ、
後日釣書が届けられるのだ。

彼女は黙っていれば美人だが、
喋り出すと巨人の事しか語らない残念な人間である。

そのせいでお見合いした途端小一時間も経たず振られてしまうが、
上手くすればお金をせしめられるので特に問題視していない。


「お金をせしめて、振られてきてくれ・・・」

「ちょっと!普通反対でしょっ!?
そこは『お金なんかより結婚して幸せに暮らしてくれ』って
言うべきじゃないのっ!?」

「そんな綺麗事は言わない。兵団は火の車なんだ」

「この鬼っ!悪魔っ!」

「君が沢山お金を貰ってこられたら研究費用にも回そう」

「っ!?頑張ってくる!!」


エルヴィンとハンジのやり取りを聞いて
「シビアだな~」とナナシは思った。

リヴァイやミケ、ナナバが顔色を変えない事から、
いつものやり取りなんだろうと流す。





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