過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第31章 本来の目的
「ねぇ、この下着どんな顔して選んだの?
紐が食い込んで痛いんだけどさぁ。
ナナシがこれ穿いてるの、想像したの?」
からかいを含んだ笑みで言われたエルヴィンは口を噤む。
想像して何が悪い、と心の中で開き直ってみたが
「・・・…これからナナシに何かプレゼントする時は、
ナナバを通したほうが良いよ?
常識あるからセクハラな物は多分受け付けないし、
エルヴィンも危ない橋を渡らないで済むはずだ」
奇行種であるハンジにまで指摘されると、
流石のエルヴィンも凹んだ。
自分の何が間違っていたのか検証するべきなのかと考え、
大して美味しくもない夕食に口をつける。
昨日よりも味気なく感じる食事に、気分が降下していくのがわかった。
あぁ、昨日の夕食は美味しかったな~と軽く現実逃避していると、
ノック音が響きナナバが紙の束を抱えて入ってきた。
・・・・・・・・・・・・・嫌な予感。