過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第31章 本来の目的
「・・・ところで、何故君達もここで食事をしているんだ?」
ハンジ達に2人分の食事を運ぶようには頼んでいたが、
一緒に食事を取ろうという約束はしていなかったので、
エルヴィンは疑問を口にする。
「心配だったんだよ、色々と。
あと、エルヴィンにお礼言いたかったんだ、私」
「・・・・お礼?」
眉間に皺を寄せながらエルヴィンは何の事だと考えた。
ハンジの欲しがっている研究予算を増やした覚えも無ければ、
何かをあげた覚えも無い。
そんなエルヴィンの心中を察して、
ハンジは笑いながら答えた。
「下着だよ、エルヴィンがナナシにプレゼントしたエロティックな紐パン!
洗い替えの無かった私にナナシがくれたんだ~」
それにはリヴァイとミケも驚き、激しく咳き込んだ。
ミケに至っては現物を見ていないが、
リヴァイから紐パンの話だけは聞いている。
下着の洗い替えが無いって、どんだけ私生活がクズなのだ。
しかもプレゼントされた下着をハンジに与える神経が、
よくわからない。
どういう事だと、エルヴィンがナナシに問い詰めると、
彼は抑揚のない声で
「お主に精神的ダメージを与えられる有意義な活用法を実行しただけだ。
ハンジも下着が無くて困っていたしな。
これからもセクハラしてきたら仕返しするからな」
と告げた。
「あ、今その下着つけてるんだけど、見る?」
女としての何かが欠落しているハンジが、
本当にズボンを下ろそうとしたのでミケが慌てて止めに入った。
そんなもの見せられても困る。
思わぬ逆襲にエルヴィンも頭を抱えて
「あぁ、確かにこれはダメージが来るね」と呟いた。