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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第28章 新兵の料理





「それより、お主に言いたい事があるのだが・・・スミス団長」

「エルヴィンと呼びなさい」

「それは兎も角として、厨房に入った感想なのだが、
この兵団は食事に関する全てが酷すぎる。
貧乏兵団と名高い調査兵団だから食材は仕方ないとしても、
調味料くらいもう少し充実させるべきだ」


食事関連について指摘を受けたエルヴィンは
顎に手をやり考える仕草をしてみせたが、
調味料とて食材に負けずお高いのだ。

いくらナナシの指摘でも、予算配分を考える必要がある。


「それは今度の予算次第だな・・・。
君も知っての通り砂糖や塩などの調味料は高い」

「・・・・おい、言わせてもらうが、食事を舐めてるのか?
食事は生きるもの全ての資本だ。
特に兵士など体を張る人間にとって、
如何に上手く栄養を摂るかも重要なんだ。
栄養が足りず頭の回転が遅かったばかりに死ぬ場合もある。
装備の補充も大事かもしれんが、その装備を使う人間がいなければ
意味はない。それに生きている内は美味いものを食べたいと思うのが
人間だ。そこが貧乏兵団でも、あまりにもお粗末な食事ばかりだと
兵士が逃げ出して壁外調査どころでは無くなってしまうぞ?」


一理ある、とは思うが削減され続ける予算では、
食事云々まで改善する余裕があるかどうか疑わしい。

眉間に皺を寄せながら考え込んでいると、
ハンジ達が賛成だと手を挙げる。


「エルヴィンは料理とか作らなくなったから良いけど、
時々厨房に立つ私もナナシと同意見だよ。
うちは食糧も調味料も少なすぎると思うな」

「そうそ、その内暴動が起きるんじゃない?」

「ハンジ・・・・おまえは料理してないだろう?」


ミケのツッコミにハンジは舌を出しながら笑った。
ナナバもそう感じているのなら、そうなのかもしれないと
エルヴィンも考え直す。

団長になってからエルヴィンは厨房に立っていない。
兵士長や分隊長だってその激務から当番が回ってくるのは
1年に数回だけだ。

現状を知っているナナバやナナシの意見は
見過ごすべきではないのだろう。







だが、しかし・・・・・・・










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