過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第28章 新兵の料理
「緊張したな~。分隊長だけじゃなく
団長に声を掛けられるなんて・・・」
「本当に・・・・。
でもエルヴィン団長カッコ良かった!あの笑顔素敵!」
「女はすぐこうだ・・・。確かにすごくカッコイイけど、
おまえなんて相手にされねぇよ」
「うるさいわね!夢くらい見させてよ」
幹部達が居なくなった途端、
雑談を始めた新兵にナナシは溜息を吐いた。
カッコイイ?
まぁ確かに顔だけ見ればそうかもしれないが、
性格は残念だと思う。
あれは詐欺だな・・・と思っていると、
新兵に「ねぇ、君」と話し掛けられた。
「君は分隊長達と知り合いなの?随分親しげだったけど・・・・」
「それ私も思った!団長にもきつい事言ってたよね!?
もしかして団長とも親しいの!?
あなたに食事運んでって言ってたし」
「すっげー。どこで知り合ったんだ?」
チームで乗り切ったせいか、妙に馴れ馴れしく接してくる彼らに
どう対処して良いかもわからず言葉を濁していると
「おい!くっちゃべってないで早く配膳しろガキ共」と
聞き覚えのある声が聞こえた。
その声で我に返った新兵達はすぐ配膳を再開する。
「オルオ・・・その態度が周囲からの反感を買うのだぞ?」
「あぁ?・・・って、・・・え?えええええええええっ!?
何でこんな所に・・・ガフッ!」
ナナシがカウンター越しに話し掛けると、
驚いたオルオが舌を噛み悶絶した。