過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第28章 新兵の料理
「見てわからぬか?」
「わかんないから、聞いてるんだけど・・・・・」
眉をハの字にさせて聞いてくるハンジを一瞥したが
答えるのも面倒になり、ナナシはお玉を新兵に向け
テキパキと指示を出す。
「野菜カスを取り除いたスープを、この鍋に入れろ」
「今入れます!」
「鍋はお主に任せる。焦げないようによく掻き混ぜろ。
ただし、具を崩すな」
「は、はい!」
「卵の準備は?」
「準備オッケーです!」
何がどうなっているのかよくわからないが、
どうやら厨房を仕切っているのはナナシのようだ。
良い具合に新兵がナナシの部下のようになっている。
敬語まで使われているとは・・・。
それからナナシは器用にオムレツを作っていき、
流れ作業で皿に盛っていく。
そこら辺に置いてあった豆をつまみ食いしながら、
ハンジ達はナナシの手際の良さに感心した。