過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第27章 真の変態は誰だ?
「なぁ・・・突然抱きしめてきてディープキスしてきた挙句、
股間を弄ってジッパーまで下ろそうとする奴は変態じゃないのか?
その後もしつこく私の所に来て押し倒したり、
薬を盛ったりするのは犯罪じゃないのか?
私は最初から拒否しているのに話を聞かず、
追い掛け回して無理矢理連れて行こうとするのは
ストーカーと言わないのか?」
それはガチ変態でストーカーな犯罪者ですっ!
つーか、そんな事こんな子供にやっちゃってたんですか、団長!
本当なら見損ないます!
生々しい体験談を聞かされ、
地面に手を着いて放心状態になった4人は
自分達が何を信じるべきか沈思にふける。
犯罪行為をする団長だが、
人類の希望である調査兵団を率いている有能な男だ。
信じなければ・・・リヴァイ兵長だって、
あんなに団長を信じているのだから。
「男である私に女物の下着を寄越す神経がわからぬ。
嫌がらせか?」
「「「「男っ!?」」」」
女とばかり思い込んでいた4人は頓狂な声を上げ、
ナナシの姿を凝視した。
これが男・・・?
胸は無いが、肌は抜けるように白く顔も整っているのに、
どこをどうすれば男に見えるというのか。
そこで、はたと気づく。
「団長は君が男だと知らないんじゃ・・・っ!?」
「いや?ちゃんと男だということも年上だという事も話してあるが?」
「年上っ!?」
誰が?誰より・・・?
もう何が真実かわからないっ!
オルオの紐パン話から始まり、
団長のストーカー疑惑、
少女だと思っていたナナシの性別が実は男で・・・
少年でもなく成人男性という、
めまぐるしい展開にグルグルと思考が彷徨う。
どうする?自分達はどうすれば良い?
何を信じれば良いのだ!?