過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第27章 真の変態は誰だ?
「用意された部屋にラッピングされたこれが置いてあった。
私の名が書いてあったことから間違いなく私宛だ。
・・・だが、これを貰ってどうしろと言うのだ。
これはセクハラだろ?今までの会話から
『紐パンを贈る奴は変態で異常だ』というのがわかった。
そして『然るべき報い』を行っても良いのだと・・・」
「い、いや、待ちなさい。さっき言ったことは兵長に関してで、
君に好意を持った人物・・・
もしくは恋人からの贈り物なら変態でも何でもないから!」
エルドが焦ったようにそう告げると、
他の3人も賛同するように頷いた。
その口調は妹に言い聞かせる声色で、
ペトラがナナシの頭を撫でながら
「あなたにはまだ早いかもしれないけど・・・」と優しく諭す。
「恋人などおらぬ。大分前に死なれてな・・・」
心無しシュンとしたナナシにリヴァイ班は切なくなり、
慰めるようにペトラが背中を撫でていたが、
「多分これはストーカーからだ」という彼の言葉を聞いた瞬間、
紐パンをその手から叩き落とした。
「兵長!大変です!この子ストーカー被害受けてるって!」
「真の変態だ!」
「年端もいかない子供にこんな物を贈り付けるなんて許せないな!」
「何とかなりませんか!?」
庇護欲を掻き立てられた4人がリヴァイに向き直ると、
人を殺せそうなほど眼光を鋭くさせた兵士長殿は
地面に落とされた紐パンを凝視しながらナナシへ質問した。