過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第26章 エッカルト・アーデルハイトの日記1
◇月○日
副長が部屋まで訪ねてきた。
色々聞かれて・・・・・迷った。
試験の合否はもうほぼ決まっているらしいけど、
全ては俺次第なのだ。
◇月□日
俺は決心した。
新しく生まれ変わる覚悟を胸に
俺は『第一部隊』配属になった。
巨人のような化け物相手には、超人的な力が必要なんだ!
俺は人類のために人間を捨てる!
昨日までの俺は死んだ。今日から俺は強くなる。
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◇月◇日
この身体にまだ慣れない。
馴染むまで時間が掛かると先輩達は言っていた。
同じく『第一部隊』配属になった同期のヴィレムとクレイグも
「身体中が痛くて堪らない」と言っていて
皆で寄り添って眠っていたら
副長が差し入れを持ってきてくれた。
手作りの甘いお菓子に痛みを忘れ頬張った。
「痛いか?」と聞かれたけど、
やせ我慢して「痛くない」と言ったら哀しそうな微笑を返され、
何故か謝られた。
副長は何も悪くない。
選んだのは俺達なんだ。
◇月☆日
やっと『第一部隊』の訓練に参加出来るようになった。
初めて『柔剣』を共振で受け取ったけど、
すぐに腕が痺れて剣を持っていられず落としてしまった。
二人でひとつの作業を・・・と言っていた無知な俺を殴ってやりたい。
こんなの一人でなんて無理だ。
生まれ変わった身体でもこんなダメージを負うようでは、
前の身体はすぐ戦闘不能になってしまうと思った。