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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第25章 腹の探り合い






「それは、君がその人間の肌に直に吸い付くという事か?」


・・・若干言い回しがおかしいが、エルヴィンの言っている事に
間違いは無いので素直に頷いた。


「そうだが、何か問題が?
大丈夫だぞ、頻度は週一くらいで摂取量も然程多くはない。
それになるべく痛くないようにするから・・・・」

「いや、そういうことでは・・・でもあるが、違う。
それは他人から不審を買ってしまう行為だ。
普通の人間はそんな事をしない」

「・・・・わかった、では注射器で採血したものをすぐに飲む形でも良い
・・・・すごく不本意だが・・・・仕方ない・・・・
本当にすごく辛いが・・・・・」


眉を顰め俯いてしまったナナシにエルヴィンが言葉を失くし、
何か打開策はないかと考えているとハンジが
「しつもーん」と手を挙げた。


「それって採れたてのピッチピチな血じゃないとダメなの?」

「ハンジ・ゾエよ…ならば問おう。
お主は新鮮なものよりも日にちの置いた腐ったものを
食べたいと思うのか?」

「あー・・・・うん、出来れば新鮮が良いよね・・・」


別に巫山戯て質問した訳ではないが、
鬼気迫る表情でそう言われてしまえば
流石のハンジもいつもの勢いが無くなる。


「それに採れたての方が栄養価が高い。
この差はお主が思っているよりも遥かに大きいのだ」

「そうなんだ・・・血液にも栄養価とかあったんだね。
知らなかったよ・・・・ごめん、口を挟んで」


ハンジがすごすご引き下がると、
リヴァイ達から「馬鹿が、余計な横槍入れんな」と小突かれた。

舌を出して「ごめんってば」と謝っているハンジを
視界の隅に入れながらエルヴィンは溜息を吐く。


「わかった、では私の血を提供しよう。それで良いな?」






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