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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第25章 腹の探り合い





「給与や報酬についての明記がないがそれに関しては?」

「ここまで条件を出しているから、そちらに任せる。
まぁ、私は食事と寝床・・・
時々お主の財布から小遣いが貰えれば良いと思っておるが?」

「・・・小遣い・・・」


ナナシの言い様にどう反応して良いかわからず詰まると
「金はそんなに必要としてないから」と補足があった。


「壁外調査へは参加で良いのか?」

「本来なら参加したくはないが、やむを得まい。
六ヶ月間であったなら参加しよう。その場合死んでも構わん」

「・・・・・・六ヶ月という期間の理由は?」

「それが身体の限界と考えているからだ」

「この・・・瀕死の状態に陥っても・・・というのは?」

「壁外調査でも何でも私がそういう状態になった場合、
治療はいらん。身体を見られるのは死ぬ事よりも苦痛だ」


その言葉に顔を顰めたエルヴィンは「何故だ?」と理由を尋ねたが
「自分の身体が醜いから」としか言わず、
明確な理由は返ってこなかった。


「シャワー付きの個室が欲しいのも身体を見られない為だ。
着替えや湯浴みを見られるのは好まない」

「そこまで頑なになる理由でも?
醜いというだけでそうなるものか?」

「お主にはわからぬ事かもしれないが、
人と違うというだけで大変なのだよ」

「隠そうとすればするほど、暴きたくなるのが人間だと思うが・・・」

「私の身体を見た奴は殺す。それだけだ」


物騒な事を言うナナシの目が本気だと気付き、
エルヴィンは他の項目の疑問へ移った。





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