過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第23章 真意はどこに?
「その時に一目惚れして、長年片想いだ」
「・・・意外だった。エルヴィンがそんなに一途だったなんて」
「待て、てめぇ女いただろ?」
「一応いたが、本気じゃなかったよ。
他の女性を愛せばナナシを忘れられるんじゃないかと思ったんだが、
全然ダメだった」
それもどうかと思ったが三人は口に出さなかった。
折角良い話っぽいのに、
ここで話の腰を折るべきじゃないと判断したからだ。
「今回の件は全て私の自業自得だ。
だから、ナナシを怒らないでほしい」
眉尻を下げて言ったエルヴィンにリヴァイとミケは深く溜息を吐いて、
睨みつけた。
「そうだな、てめぇが悪い。こっちはとばっちり食ったんだ。
あいつとはきちんとケリをつけろ」
「正直ここまで、おまえが馬鹿だとは思わなかった・・・。
それでこれからどうするんだ?」
「考え中だ。まずは動けるようにならなければね。
ナナシがいる家を誰かが見張ってくれると有り難いのだけれど・・・」
「・・・おい、そりゃ命令か?」
「おまえ達は戦力が欲しくないのか?」
そう言われてしまえば黙るしか無い。
万年人員不足だから一人でも多く欲しいと思うに決まっている。
そんなやり取りをしていると、
ハンジが笑顔で物騒な事を言い始めた。